除外の意味見極め、行動を

オンライン集会「朝鮮幼稚園にも『幼保無償化』適用を!京都集会2021~『幼保無償化』除外は何を意味するのか~」が16日に行われ、同胞や日本市民など約100人が視聴した。

オンライン集会の本部が京都市内の施設に設けられた。(提供写真)

集会を「幼保無償化を求める京都朝鮮幼稚園保護者連絡会」(以下、「京都保護者連絡会」)が主管し、「朝鮮学校への『高校無償化』『幼保無償化』適用を求める火曜アクションin京都」(以下、「火曜アクション」)、「朝鮮学校と民族教育の発展をめざす会・京滋(こっぽんおり)」(以下、「こっぽんおり」)が共催した。

集会は、2019年10月に施行された幼児教育・保育の無償化制度から、朝鮮幼稚園など各種学校認可の外国人学校幼稚園が除外されている問題について、また高校無償化問題以降、露骨化する朝鮮学校や幼稚園に対する排他的・差別的政策が何を意味するのかについて、考え行動していく契機にしようと企画された。

集会では、滋賀県立大学准教授で「こっぽんおり」共同代表の河かおるさんが「朝鮮学校『無償化』排除と日本社会」をテーマに講演したほか、「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」代表の宋恵淑さんが、制度開始から1年半が経過した同制度の現状と問題点について解説した。

集会では河かおるさんが「朝鮮学校『無償化』排除と日本社会」をテーマに講演した

河さんは、朝鮮幼稚園など外国人学校幼稚園がいまも幼保無償化制度の対象外となっていることに対し「各種学校という法的地位を巧妙に利用した排除が起きている」と指摘したうえで、幼児教育を含めた民族教育権の確立に向けて考えていく必要性を説いた。

またこの日、19年4月から今年4月までの間に京都府下の朝鮮幼稚園に児童を送る保護者や学校関係者、支援者らが中心となり行ってきた運動をまとめた映像が配信された。

集会では、日朝友好京都ネット副代表の角替豊さん、朝鮮学校無償化排除に反対する連絡会共同代表の長谷川和男さんが発言し、連帯の意を表明。つづいて京都府教職員組合からの連帯メッセージが代読された。

「京都保護者連絡会」代表の鄭英姫さん

集会の最後には、各主催団体を代表し、鄭英姫さん(「京都保護者連絡会」)、李宗海さん(「火曜アクション」)、三嶋あゆみさん(「こっぽんおり」)がそれぞれ発言した。

「京都保護者連絡会」代表の鄭英姫さんは、2019年12月から行われてきた署名運動を通じ、約107万の賛同署名が集まったことに言及したうえで、「日本社会で民族教育に対する理解や支援が広がり、外国人学校幼稚園が制度から排除されている現状について、他人ごとではなく自分の問題として考える日本の方々との連携が広がった」と話す。

そのうえで「幼保無償化制度そのものに朝鮮幼稚園など外国人学校幼稚園が含まれ、子どもたちの尊厳が尊重され、この地に住む人々が互いを認め合って暮らしていける社会が訪れるように、これからも声をあげていきましょう」と呼びかけた。

(韓賢珠)