この日、新たな朝鮮学校を支援する市民団体が結成された(提供=連絡協議会)

「朝鮮学校無償化実現全国統一行動に連帯する福岡県民集会」が2月20日、九州中高で行われ、同胞や日本市民ら約150人が参加した。

集会では、はじめに「朝鮮学校無償化実現・福岡連絡協議会」(以下、「連絡協議会」)の総括総会が行われた。

九州では2013年7月8日に、福岡県日朝友好協会など7つの団体によって「朝鮮学校無償化実現・福岡連絡協議会」が結成され、裁判闘争を支援する中心団体として役割を成してきた。

総会では、13年12月から始まり、7年6ヵ月に及んだ九州無償化裁判のたたかいを振り返った。この間の運動の成果として▼朝鮮学校で学ぶ子どもたちの意識変革と成長が顕著になった▼裁判傍聴、支援に保護者や多くの同胞が結集し、朝鮮学校、民族教育を守る運動の中心となった▼67人の弁護士による無償化裁判弁護団の結成、福岡、山口県の朝鮮学校を支援する統一団体の発足など、日本人による支援の輪が広がった▼無償化弁護団に参加した多くの弁護士が、福岡、山口県をはじめ各地の朝鮮学校支援団体の運動に積極的に参画した▼朝鮮学校を支援する市民団体が無償化裁判を通じて学んだことを、それぞれ地域に根付いた無償化闘争を推進している、などが挙げられた。

集会には約150人が参加した

最後に、この日の総会をもって「連絡協議会」を解散し、「朝鮮学校無償化実現・福岡山口連絡協議会」(通称「五者連」)を結成して、朝鮮学校とそこで学ぶ子どもたちの権利獲得のための運動を強化していくことが報告された。

続いて、「五者連」結成総会が行われた。「五者連」は、「福岡県朝鮮学校を支援する会」「福岡地区朝鮮学校を支援する会」「朝鮮学校を支える会・北九州」「筑豊地区朝鮮学校を支援する会」「朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク」で構成される。

「五者連」では今後、朝鮮学校に通う子どもたちの学ぶ権利の保障と実現に向け、①各地の朝鮮学校支援団体との連携の強化②朝鮮学校への幼保無償化、高校無償化制度の適用の実現③国や自治体に、教育条件の保障と補助金交付の再開及び拡充を求める④財政支援活動⑤朝鮮学校を「学び舎」としての魅力を発信するといった活動に取り組んでいく。

結成総会では、中村元氣さん(福岡県日朝友好協会)、内岡貞雄さん(朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク)、後藤富和さん(朝鮮学校無償化弁護団)、本村隆幸さん(福岡県教職員組合連絡協議会)が共同代表に選出された。

またこの日、「五者連」の結成を記念し、九州無償化弁護団の金敏寛弁護士と安元隆治弁護士による講演会が行われた。

(全基一)