幼保無償化を求める東海・北陸地域要請団の要請活動が7月30日に行われた。要請では、要望書と3万6,309筆の署名が提出され、参加者たちからの発言があった。発言の一部を紹介する。(李鳳仁)

立憲民主党 近藤昭一衆議院議員

無償化制度でいちばん大切なのは、子どもたちのために、子どもたちを大事に育てていくこと。しかし、すべての子どもが平等であるという当たり前のことが日本で実現されていない。非常に残念である。高校無償化問題では、当事者の子どもたちが裁判に挑んで、時には街頭に出て、差別なき社会を実現するために闘っている。それに加えまた新たに、幼保無償化問題が出てきた。制度的な理由を並べて除外するのではなく、原点に返って、子どもたちのため、社会のために教育を平等で充実したものにしよう。

名古屋初級 金星年校長

日本が子どもたちを一番に思って施行した幼保無償化制度は、とても画期的なものだと思っている。その中に差別があるというのは、すごく悲しいことだ。朝鮮幼稚園は在日朝鮮人の子どもを育てているのはもちろん、ここで育った子どもたちは日本社会にも貢献している。朝鮮幼稚園で子どもたちがどのように育っているか、その素晴らしさを一度見に来て感じてほしい。

愛知県立大学 山本かほり教授

日本政府は、高校無償化に幼保無償化、さらには新型コロナに伴う学生支援緊急給付金の支給対象からも朝鮮学校を除外した。日本人として非常に恥ずかしく、憤りを感じる。朝鮮学校と関わるほど、日本の歴史責任について考えざるをえない。だからこそ朝鮮学校をずっと支えていかなければと思う。子どもの成長は待ったなしだ。高校無償化から10年。あのときの高校生は現在20代後半で、ともにお酒を飲む年になった。大人は今年度、来年度というがそんな余裕はない。早急な制度の見直しを求める。

東春初級 禹重錫校長

先日、本幼稚園にひとりの保護者が来た。その保護者は日本の公教育を受けたが、自身の子どもは朝鮮幼稚園で学ばせたいと話していた。まだ3歳のその子どもも、朝鮮幼稚園で学びたいと言ってきた。私たちの民族教育のニーズを改めて認識した。本幼稚園にいる2人の教員は、2人とも保育士の資格を持っている。朝鮮学校で強い志しをもって学んできた素晴らしい先生たちだ。私たちは日本の幼稚園と同じくらい素晴らしい教育・保育をしていると自負している。

四日市初中 鄭俊宣校長

私たちが提出した署名について、いわゆるマイノリティーが少数の権利を侵害されたことへのアクションだとは受け止めないでほしい。署名の大半は日本の方々の賛同によるもの。これは各種学校のみが幼保無償化対象から外されるのはおかしいという日本の市民の思いであり、こんな社会には住みたくない、本当に平和な社会で暮らしたいという皆の切なる気持ちの現れだ。そして今後この問題が広まるごとに、もっと多くの人が声を上げるだろう。本当の意味での市民の声を反映してほしい。