
馳浩衆議(日朝国交正常化推進連盟事務局長)をはじめとする自民党所属の国会議員たちが11日、東京第1初中付属幼稚班(東京都荒川区)へ視察に訪れた。与党議員らによる朝鮮幼稚園への視察は今回が初。同校の高完植校長、付属幼稚班の韓永心主任、「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」の宋恵淑代表など関係者たちが同行した。

この日、馳衆議ら自民党議員たちは、視察に先立ち、学校関係者から朝鮮幼稚園の沿革や教育理念、運営状況などについて説明を受けた。
韓主任は「昨年幼保無償化制度の話が持ち上がり、園児数はあきらかに減少傾向にある」とし、「制度から除外されていることで直に影響が及んでいる」と訴えた。


その後、議員らは施設内を見回ったのち、最後に保護者たちと歓談した。
保護者の尹明華さん(37)は、「私はここの幼稚園出身で、高校まで朝鮮学校に通い大学から日本の大学に通った。日本の企業に就職したが、国籍など関係なく尹明華として接してくれる環境にあった」と話し「朝鮮語や文化を知りたいというのは、子どもたちを含め私たちにとってごく自然な気持ちだ。その機会を、区別して奪わないでほしい」と述べた。
「幼保無償化に関しては政治的なことはとっぱらってほしい」と話したのは、同じく保護者の金純伊さん(40)。金さんは、議員らに対し「正直、制度が始まる前に、こうして視察にきてもらいたかったのが本音だ。子どもたちに申し訳ない。多様性やアイデンティティを学ぶことを否定しないでください」と訴えた。
現在、兵庫、三重、滋賀など各地では、研究者らによる声明の発表や、県議会への請願書の提出、外国人学校協議会などを通じた要望書の提出など、幼保無償化制度の早急な見直しを求めた抗議活動が活発に行われている。

現在、兵庫、三重、滋賀など各地では、研究者らによる声明の発表や、県議会への請願書の提出、外国人学校協議会などを通じた要望書の提出など、幼保無償化制度の早急な見直しを求めた抗議活動が活発に行われている。
11月27日の衆議院文科委における幼保無償化に関する質疑で、萩生田光一文科大臣は、地域のニーズに応え重要な役割をはたす施設について、国と地方が協力した財政支援のあり方を検討していると答弁した。
来年度の予算編成中のいま、朝鮮幼稚園が所在する地域では「地域や保護者たちのニーズとはなにか」について、各自治体に対し徹底的に問うていく必要がある。そのうえで、朝鮮幼稚園が地域社会や保育の受け皿として大事な幼児施設であり、各種学校のみを対象から除外した現行制度が不当極まりないことを、強く訴えていくべきであろう。
(韓賢珠)