町田市から送られた「回答」

朝鮮幼稚園が幼保無償化の対象から除外されている問題と関連し、西東京第2初中などが町田市に対し行った要請に対し、市が11月1日に回答した。市は、要請されていた同校付属幼稚班に対する救済措置について「予定していない」とし、また、同幼稚班の保育実態の把握のための学校訪問についても「考えていない」とした。

要請は10月4日に同幼稚園の保護者や、西東京第2初中教員、日本市民らが町田市役所で行ったもの。市に対し▼政府や東京都への働きかけ▼同校幼稚班の子どもと保護者に対する市独自の救済措置▼学校来校などを通じた保育の実態の把握を早期に行うことを求めていた。

これに対し市は石阪丈一市長名で回答文を送付。幼保無償化を「国の基準に基づいて実施して」いるため独自の制度拡充は「予定しておりません」とし、また、「私立各種学校の認可・指導事務を所管していないため」訪問も「考えておりません」とした。

一方で「各種学校の幼保施設を無償化の対象として認めるよう政府や東京都に働きかけること」を要請していたが、これに対する具体的な回答はなかった。これについて町田市子ども生活部の保育・幼稚園課長は回答文の「『国が進める幼児教育・保育の無償化について、町田市では、国の基準に基づいて実施して』いるという部分」が回答であるとしたが、働きかけを行うかどうかについては明言しなかった。

保護者連絡会のメンバーで西東京第2初中保護者の趙丹さんは「強い憤りしかない」と述べる。一部の市民が幼保無償化制度から差別的に除外されている状況を放置しようとする市の姿勢を「何卒、ご理解賜りますよう」とつづった回答文は「私たちに対する理解のなさを通り越して、もはや冒涜だ。回答を書き上げた担当者と承認した市長の見識が問われる」と怒りを示した。その上で「市行政に対する働きかけを粘り強く続けながら、広く市民たちの支持を得られるような草の根の努力もしていきたい。まだまだ打つ手はある」と話した。

(金孝俊)