幼児教育・保育の無償化制度から朝鮮幼稚園を含む各種学校が除外されている問題と関連し、埼玉朝鮮幼稚園の関係者たちが26日、内閣府(東京都・永田町)で要請を行った。埼玉朝鮮学園理事会の李昌勇理事長、埼玉初中の鄭勇銖校長、「幼保無償化を求める埼玉朝鮮幼稚園保護者連絡会」の李舜哲、安貞姫代表、「埼玉朝鮮学校を支援する会」の金子彰代表、「外国人学校・民族学校の制度的保障を実現するネットワーク埼玉」の斎藤紀代美代表、総聯活動家らが参加した。

5110筆の署名を担当者たちに手渡した

要請には森田としかず衆議院議員も同席。内閣府、文部科学省、厚生労働省の担当者らが応対した。

まず、安貞姫代表(41)が要望書を朗読した。

要望書は日本で様々な設置形態の幼保施設がある中、各種学校の外国人学校幼保施設だけが制度の対象外となっていることが「不可解極まりありません」としながら、「政治的経済的又は、社会的関係に於いて差別されない」とした日本の憲法や国際法に反する不当な措置であるとした。

その上で、(1)各種学校も無償化対象と認め朝鮮学校幼稚部の全ての園児たちの保育料を無償化すること②各種学校の幼児教育・保育施設を幼稚園類似施設などの新たな支援の対象として認めることを求めた。

その後、5110筆の署名を担当者に手渡した。

質疑応答では、斎藤紀代実代表が各種学校除外の理由に「多種多様な教育」を行っていることが挙げられているが、さいたま市には英語だけで保育している施設や、埼玉朝鮮幼稚園より設備が劣っているとみられる施設があり、それらが制度の対象になっていることを指摘し、各種学校だけが除外されている理由について質問した。

続いて金子彰代表は「子どもたちの学習権を侵害しているという現実をどうとらえているのか?」と質問。文科省担当者は「ご指摘は持ち帰って共有する」と答えなかった。金子代表が「侵害しているという意識があるのか?」と聞きなおすと、「朝鮮学校の子どもたちに何かという仕組みになっているわけではない」と答えた。

これに対し斎藤代表は、制度除外により差別を受けているという意識を持って、同胞の子どもたちが人格形成を行ってしまうことを「最も危惧している」と話した。

鄭勇銖校長は、各種学校に対してのみ、幼稚園の実態を全く把握せず、制度によって線引きしていることを批判した。

最後に李舜哲代表(53)が発言。「ぼくたちは、ぼくたちの本名を呼んでもらいたい、ルーツに誇りを持ってもらいたい」「そういう教育って大事だという気持ちで子を送っている」と述べた上で、現実として経済的に格差が生まれている実態を指摘。制度を改正できないのであれば、運用などで対応してほしいと訴えた。

(金孝俊)