この日、提出された署名は3万4520筆となった。

14日に行われた北関東および福島の朝鮮学校関係者たちが行った朝鮮幼稚園への幼保無償化を求める関係府省への要請。当日、要請の場であった発言内容について、以下紹介する。

宮川邦雄さん(日朝友好連帯群馬県民会議事務局長・「支援する会」役員)

の朝鮮幼稚園除外措置は、日本人という立場で本当に情けない。

地域では日本人、朝鮮人関係なく仲良くしているのに、(国が)差別を継続している現状に怒りを覚える。県民の一人として絶えず声をあげていきたい。

鄭希哲さん(総聯福島県本部組織部長)

政府の担当職員たちは、地域の声を聞くと話していたが、署名の声が反映されるのかと不信感を抱かざるを得ない形式的な返答にしか聞こえない。

私は3歳の子どもを育てているが、今後なぜ自分たちが対象じゃないのかと子どもから聞かれたとき、今の状況は差別としかいいようがない。福島県内では約1万3千筆に及ぶ署名を日本の友人たちが集めてくれた。その人たちは皆「頑張れ」「この制度はおかしい」と声を上げてくれた。その事実をしっかりと認識し、朝鮮幼稚園に無償化が1日も早く適用してほしい。

金玄虎さん(茨城朝鮮学園理事)

私は、学園理事を務めているが、休校中の茨城初中高付属幼稚部を再開させるという夢をもっている。それは、同幼稚部の卒園生として、当時培われた民族的アイデンティティへの自負があるからだ。今後生まれてくる同胞児童たち、そしていま茨城地域に住む学齢前の同胞児童たちにその経験をさせてあげたいと思っている。

先日、来月2歳になる息子の待機児童問題で、市役所に出向いたが、学校を運営する立場としても、もしも幼稚部があれば、そういう同胞児童らの受け皿にもなると感じているし、仮にそのような状況になれば、いま幼稚部を持つ地域の関係者たちと同じような状況に置かれるかもしれないという危機感を抱いている。もしも、この問題の核心が差別であることが伝わっていないのであれば、(私たちの声が)一市民の声であることを自覚し、もう一度しっかりと聞いてほしい。

宋恵淑さん(「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」代表)

子どもたちは、どこの施設に通っているかなどは関係なしに、日本社会で共に育っていく、未来の日本社会の宝だ。

今日茨城の関係者も来ているが、実は、幼保無償化から朝鮮幼稚園が除外されていることについて、茨城初中高の高級部生徒たちが、それを考えるための絵本を作った。子どもが子どもを心配し活動する、これは誇らしい反面、親としてすごく悲しいことでもある。日本社会をよくしたい、差別を無くしたいという思いが込められた署名の重みを受け止めてください。

(韓賢珠)