幼児教育・保育の無償化(幼保無償化)制度から朝鮮幼稚園を含む各種学校認可の外国人学校幼稚園が除外されている問題で、各地の関係者らによる要請活動が引き続き行われている。

東京・西東京(6月25日)、埼玉(26日)に続き、7日、神奈川と長野の朝鮮幼稚園関係者、日本人支援者らが関係府省に対しそれぞれ無償化制度適用を求める要請を行った。

要望書とともに2万9,881筆の署名を手渡す神奈川の関係者たち

参議院議員会館で行われた神奈川の関係者らによる要請活動には「各種学校の外国人幼稚園への幼児教育・保育無償化適用を求める神奈川朝鮮学園連絡会」の金燦旭代表(神奈川中高校長)、南武初級の朴在和校長、県内の朝鮮幼稚園保護者、「日朝国交正常化を進める神奈川県民の会」メンバーをはじめとした日本人支援者、総聯活動家ら18人が参加。また、紹介議員として那谷屋正義参議院議員、阿部とも子衆議院議員が同席した。

内閣府、文部科学省、厚生労働省の担当職員が応対した。

要請では両議員による発言の後、金燦旭代表が今回の要請の趣旨について説明。その後、保護者や日本人支援者らの発言が続き、各種学校認可の外国人幼稚園だけが除外されている不当性や子どもたちに対する差別の是正などを強く訴えた。

参加者らは「各種学校も無償化対象と認め、朝鮮学校幼稚部のすべての園児たちの保育料を無償化すること」などを求める要望書と、2万9881筆の署名を担当職員らへ手渡した。

一方、長野の関係者らは文科省へ要請を行った。

長野初中の河舜昊校長、「幼保無償化を求める長野朝鮮幼稚園保護者連絡会」の申賢麗代表、総聯長野県本部の李光相委員長と、日朝長野県民会議の松澤佳子代表委員、日朝松本市民会議の小松清志会長をはじめとした日本人支援者ら9人が文科省旧庁舎を訪れた。同省からは2人の職員が応対した。

長野の関係者らは文科省への要請を行った

要請では冒頭、参加者らによる発言がつづいた後、河舜昊校長をはじめとした関係者が要請書と1万4273筆の署名を職員へ手渡した。要請書では各種学校の外国人幼稚園への一日も早い幼保無償化制度の適用、またそれらを政府が来年度から予定している幼児教育類似施設等への新たな支援策の対象とすることなどを求めた。

保護者を代表して発言した申賢麗代表は「私たち在日朝鮮人はこの国で税金も納めているし、義務もしっかりと果たしている。なぜ、子どもたちが差別を受けなければならないのか。この問題について真剣に考え、解決に向けて尽力してほしい」と話した。

参加者らの訴えに対し文科省職員らは「(省内で)しっかりと報告、共有したい」などと述べるにとどまった。

(丁用根)