集会で怒りを示す保護者たち

集会では、保護者を中心とした各団体がこれまで展開してきた幼保無償化を求める様々な動きや、当事者たちの思いも紹介された。

「幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会」の宋恵淑代表は無償化制度の対象から除外された朝鮮幼稚園の保護者たちが抱える負担の大きさについて強調しながら「家計も痛いが、それよりも痛いのは心」だとし、「金曜行動」などで高校無償化を求め続ける高校生たちのように「届くまで、声を上げ続けたい」と話した。

埼玉初中附属幼稚班の保護者は8月から、関係省庁と自治体への要請文の提出、街頭宣伝などを通じて、当事者たちの声を届けようとしてきた。同幼稚園保護者の金淳華さんは「残念ながらその声が届くことはなかったが、その行動は決して無駄ではなく、少しずつ大きな一歩へと変わっていっている」としながら、それらの活動を通じ「子どもたちの大好きな先生、友達、そして私たち民族の言葉、歌、踊り、大好きな幼稚園をこの手で守っていかなければいけないと、強く思った」と話した。

その後に登壇した金純伊さんは、嗚咽をもらしながら「日本に生まれた朝鮮の子どもたちが朝鮮の友達に出会い、ルーツを学び、朝鮮人として誇りを求めるのは朝鮮の幼稚園しかない」と語りながら、多様性の尊さについて強調した。

集会で怒りを示す保護者たち

また、中央青商会の宋明男副幹事長が11月1日に参議院議員会館で行われた青商会世代の同胞父親たちによる政府への要請について言及。「コッポンオリの未来のために闘う。それが青商会」だとし、「団結した力で、青商会が最前線に立って闘っていきたい」と壇上で力強く呼びかけると、会場からは大きな拍手が上がった。

一方で、そのような保護者たちの呼びかけに応じ、朝青では街頭宣伝や集会への参加の呼びかけ、パレードで使用されるプラカードの制作が行われた。

朝青東京では約40個のプラカードを作成。当日の集会には参加できなくても、「同じ気持ちで闘っている」という意思がプラカードに込められた。朝青足立支部・本木5、6班の姜裕成班長(27)はこの日、「いても立ってもいられなかった」と、自身の仕事を早めに切り上げ「班13人、みんなの気持ちを合わせて作った」というプラカードを持ってパレードに参加した。姜さんは「これまでも差別はある程度『大人』に対するものだったが、今回は小さい子に対するもので、絶対に許せない」と話している。

朝青千葉では9月29日に幼保無償化を求める街頭宣伝を行うなど精力的に活動しながら、支部のミーティングの後など、朝青員が集まる機会の度に集会への参加とプラカードの制作を呼びかけた。千葉支部の韓英樹委員長(29)は「この権利は絶対に勝ち取らなくてはいけない。今日がスタートという気持ちで、今後もっと声を上げていきたい」と話した。

(文・金孝俊、写真・取材班)