鹿児島の朝青員たちは1時間半で102人の署名を集めた

朝鮮幼稚園に幼保無償化適用を求める「100万人署名運動」が各地で展開されている中、鹿児島でも運動の気勢が高まっている。3月14日には朝青鹿児島県本部が鹿児島中央駅前で署名活動を行った。

同胞数が少ない鹿児島に朝鮮学校はなく、幼保無償化と関連した朝青鹿児島の署名活動は、今回が初めての試み。署名活動に参加した5人の朝青員たちは不安を抱きながら街頭に立った。

鹿児島の朝青員たちは道行く人々にチラシを配り、幼保無償化への理解を呼びかけた

道行く人々にチラシを配布しながら呼びかけを行うと、保育所に勤務する市民や幼い孫がいる高齢者など、多くの人々が足を止めて説明に耳を傾けてくれた。中には「寒いけど頑張って!」と激励のメッセージを送ってくれたり、「大人が解決すべき問題に子どもたちを巻き込み、差別するなんて間違っている!」と理解を示してくれる市民も。結果的に、1時間半で102筆の署名が集まった。活動を終えた朝青員たちは「一つひとつの署名が、いずれ大きな運動に発展していく」という希望を抱いていた。

この日、熊本から駆けつけた朱鮮美さん(23)は九州中高に通い、昨年度に熊本学園大学を卒業した。

「朝高時代に高校無償化から除外された当事者だからこそ、怒りや悲しみに打ちひしがれるのではなく、アクションを起こすべきだと思った。これまで、たくさんの大人が朝高生のために立ち上がり、今も闘い続けてくれている。社会人になった私ができることは、差別を是正する闘いに参加すること」

鹿児島の朝青員たちは1時間半で102人の署名を集めた

南九州(鹿児島、宮崎、熊本)で運動を展開していくうえで、難しさは少なくない。しかし、朝青鹿児島に専従活動家が赴任した昨年4月以降、南九州における朝青活動は活発になり、「構想の範囲でしかなかった多くのことが『カタチ』になっている」と、朱さんは話す。

「南九州の朝青員たちは、地域同胞社会の未来を切り拓いていく責任感を持っている。少人数という短点を機動力という長点に変え、今回の署名活動にとどまらず、地域の特性を生かした多様な活動を行っていきたい」

【朝青鹿児島】